スキップしてメイン コンテンツに移動

離婚件数と離婚によるひとり親世帯数

 2018年の日本における婚姻件数は、58.6万件、2019年には60万件だった。1972年の110万件をピークにして低下し、90年代に一時的に盛り返したものの2000年代には再び減少傾向が続いている。一方で、離婚件数は、2018年に20.8万件、2019年も20.8万件で微増となっている。なお、2019年の婚姻と離婚の件数は概数。日本ではおよそ3組に1組が離婚する計算になる。これは、過去に高い水準にあった婚姻が解消されるなどの影響があり、一概には言えないが、婚姻が減り離婚が増える中で、離婚の割合は高まっている。


 日本では離婚の内の約9割が「協議離婚」という夫婦の話し合いだけで離婚する形態をとっている。2008年に離婚全体に占める協議離婚の割合は87.8%だった。また、裁判所に関わる離婚としてその他に、調停離婚が9.7%、和解離婚が1.4%、判決離婚が1.0%あった。なお、2016年の協議離婚の割合は87.2%だった。このような統計から、日本における離婚が夫婦の話し合いだけで取り決められ離婚届が提出されていることが分かる。もっとも、このように夫婦の話し合いだけで離婚が出来る国は国際的には珍しい。未成年の子どもがいる場合など、裁判所や行政が関与して離婚が認められなければ、夫婦が離婚できない国が多い。 




 厚生労働省による「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」によれば、母子世帯は123.2万世帯、父子世帯は18.7万世帯であった。これは割合にして、母子世帯86.8%、父子世帯13.2%であった。
 母子世帯になった理由は、離婚(79.5%)、未婚の母(8.7%)、死別(8.0%)の順であった。また、父子世帯では、離婚(75.6%)、死別(19.0%)となった。父子世帯では、死別によってひとり親世帯になる割合が比較的高い。
 母子世帯と父子世帯の全体的な割合と大差ないが、離婚による母子世帯は87.4%、父子世帯は12.6%であった。この割合を、母子世帯、父子世帯を問わず、離婚によるひとり親世帯の実態(加重平均)を求めるために使うこととする。



 このような数値を用いて2018年の日本の離婚件数に基づいて次のような試算をしている。


意思に反して子どもに全く会えなくなった父母数:            71,564人

意思に反して子どもに全く会えない父母総数(10年間):      715,642人

子どもに全く会えない被害者総数※(祖父母、子ども含む):  2,862,566人

離婚後等単独親権制で親子関係に制約を受ける父母総数:    1,049,025人

離婚後等単独親権制で親子関係に制約を受ける被害者総数※:  4,196,099人 

  ※係数4


参照: 厚生労働省、平成21年度「離婚に関する統計」の概況

総務省、2019年 人口動態統計月報年計(概数)

厚生労働省、平成28年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告



コメント

このブログの人気の投稿

ハーグ条約と国内法制度の矛盾

  1970年には年間5,000件程度だった日本人と外国人の国際結婚は、1980年代の後半から急増し、2005年には年間4万件を超えた。これに伴い国際離婚も増加し、結婚生活が破綻した際、一方の親がもう一方の親の同意を得ることなく、子どもを自分の母国へ連れ出し、もう一方の親に面会させないといった「子の連れ去り」が問題視されるようになった。このため、外国で生活している日本人が、日本がハーグ条約を未締結であることを理由に子どもと共に日本へ一時帰国することができないような問題が生じていた。   世界的に人の移動や国際結婚が増加したことで、1970年代頃から、一方の親による子の連れ去りや監護権をめぐる国際裁判管轄の問題を解決する必要性があるとの認識が指摘されるようになった。そこで、1976年、国際私法の統一を目的とする「ハーグ国際私法会議(HCCH)」 は、この問題について検討することを決定し、1980年10月25日に「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)」を採択(1983年12月1日発効)した。2019年10月現在、世界101か国がこのハーグ条約を締結している。  国境を越えた子の連れ去りは、子どもにとって、それまでの生活基盤が突然急変するほか、一方の親や親族・友人との交流が断絶され、また、異なる言語文化環境へも適応しなくてはならなくなる等、有害な影響を与える可能性がある。ハーグ条約は、そのような悪影響から子を守るために、原則として子どもを元の居住国に迅速に返還するための国際協力の仕組みや国境を越えた親子の面会交流の実現のための協力について定めている。  ハーグ条約の目的は次の2つである。 1.原則として子どもを元の居住国に返還する  ハーグ条約は、監護権の侵害を伴う国境を越えた子どもの連れ去り等は子どもの利益に反すること、どちらの親が子の監護をすべきかの判断は子の元の居住国で行われるべきであること等の考慮から、まずは原則として子どもを元の居住国へ返還することを義務付けている。これは一旦生じた不法な状態(監護権の侵害)を原状回復させた上で、子どもがそれまで生活を送っていた国の司法の場で、子の生活環境の関連情報や両親双方の主張を十分に考慮した上で、子どもの監護についての判断を行うのが望ましいと考えられているからである。 2.親子の面会交流の機会を確保する ...

アメリカ:世界の離婚後共同親権制は40年前にカリフォルニア州から始まった

 アメリカでも日本と同じように離婚後に父親に親権を与える時代があった。その後、父親の絶対的優位が修正され、20世紀になると母親優先が判例法によって確立していった。州によって違いはあるものの平均して85%近くの場合、母親に単独監護権(親権)が与えられるようになった。 このような 母親優先の原則 の背景には、 乳幼児期の原則 (tender years doctrine)と呼ばれる不適格な母親でない限り、3歳以下の乳幼児においては母親が優先されるという考え方があった。このような母親優先の考え方は、母親神話を生み、性役割分業観に基づく生活実態に支えられた。  しかし、1970年代から1980年代にかけて男女の役割分業観に変化が生じ、男女平等が本格的に進むと乳幼児の推定原則や母親優先の原則は批判され、性的に中立な「 子どもの最善の利益 (the best interests of the child)」が重視されるようになった。  それでも母親優先の原則が根強かったのは、子どもが3歳以下の場合に監護者になりたいと答える父親がいなかったことや「 同胞不分離の原則 」によって3歳以下の子どもがいる場合は、父親が、その兄弟姉妹の監護者になることを望んでも、同胞不分離の原則によって子ども達全員の監護権が母親に委ねられるという現実があったからである。  母親優先の原則が根強かった1970年代の論争として有名なのがゴールドスティンらの主張とそれに対する反論である。ゴールドスティンらは「子の最善の利益を超えて」という著書の中で、子の監護紛争では継続性を重視すべきだとした。子どもの健やかな成長発達のためには養育環境の安定こそが重要であり、子どもは大人のように待つことはできず、時間的感覚が違うので、子どもが現在または将来密着した関係を築く「心理的親 (psychological parent)との関係を尊重しなければならないとした。ここでは実の親よりも心理的親子関係を形成している大人を指定し、養育環境の継続性を重視した。それは、現状が落ち着いていれば変更する必要はないと受け止められ、多くの批判を浴びた。  ゴールドスティンらは「 法的制裁を加えてまで行わせようとする面会交流のあり方はおかしいのではないか 」という問題も提議をした。これに対して「 両親が別居・離婚して、監護権が一方の親に委...

日本における離婚後等単独親権制(民法第819条)と民法上の親権

 父母が離婚をすると子どもは父母どちらか一方と生活することになる。世界では、必ずしもそうではないのだが、日本では、特別な事情がない限り、父母の一方が子どもの面倒をみることになる。このような離婚後における父母のどちらか一方による子どもの監護・養育、つまり離婚後単独親権制は、民法第819条で定められている。 民法第819条   1.父母が協議上の離婚をするとき、その協議で、その一方を親権者とさだめなければならない。 2.裁判上の離婚の場合には、裁判所は、父母の一方を親権者と定める。 3.子の出生前に父母が離婚した場合には、親権は、母が行う。ただし、子の出生後に、父母の協議で、父を親権者と定めることができる。 4.父が認知した子に対する親権は、父母の協議で父を親権者と定めたときに限り、父が行う。 5.以下省略   離婚をすると父母のどちらか一方が子どもの親権を持つことになる。なお、この民法第819条は、「離婚後等単独親権制」と表現出来る。同条第3項、第4項では未婚あるいは非婚の状態の父母の間の子どもの単独親権を定めている。さらに言えば、離婚する前に父母が別居している状態でも離婚後の単独親権制は実質的に前倒しで適用されることになる。このように、父母の様々な状態に対応するため、特に離婚後に限定する場合を除いて、ここでは「離婚後等単独親権制」と呼ぶ。  注意が必要なのは、この離婚後等単独親権制には例外がないということである。父母の合意があっても、法律上は、離婚後等には単独親権しか認めらないということである。極端な言い方をすれば、それは「離婚後等強制単独親権制」なのである。法律的には、一律に単独親権となるため、父母の関係が比較的良好な場合以外には、父母が協力して子どもを養育することは困難となる。  なお、父母が離別する理由は様々である。不倫もあれば、純粋に性格や価値観が合わずに男女がすれ違うこともあるだろう。DV、児童虐待、飲酒、ギャンブルなど男女の一方の問題によって関係を損ねる父母がある一方で、男女のどちらかに責任を問えないような破局もあるだろう。  日本では「夫婦別姓」を実現するためになどに書面上結婚して、離婚する実質婚の夫婦もいる。そのように関係が良好な父母の間では、日本でも離婚後等において共同親権・共同養育を実質的に実現している例はあるようである。また、高学歴の父母などに...